石川県能登地方を震源とする5日の地震で震度6強を観測した同県 珠洲 (すず)市で、大型連休明けの8日、学校の授業が再開された。
同市野々江町の県立飯田高校では、3階の図書室で本棚が倒れて本が散乱したり、体育館で天井の建材とみられる白い粉が床一面を覆ったりした。このため午前の授業の一部を校内清掃に充て、生徒らがモップやほうきで床などをきれいにした。1年生の女子生徒(15)は友人と顔を合わせて安心した様子だったが、「授業中に地震が来たら怖い」と話していた。
同高では、体育館の通路などに複数の亀裂が見つかったほか、一部の水道が漏水で使えなくなった。 嶽 (だけ)桂輔教頭は「生徒の安全を第一に授業を行う。不便はあるが、学校を再開することで生徒も安心できる部分があると思う」と話した。
県教育委員会によると、同市内の小学校7校と中学校2校、県立高校1校、特別支援学校1校、同県能登町の県立高校1校で、図書室の本棚が倒れて本が散乱したり、ブロック塀がひび割れたりするなどの被害が確認された。各校では、連休中に教員らが片付けや修理をした。
読売新聞の同日午前9時時点のまとめでは、死者は珠洲市で1人、重軽傷者は石川、富山両県で計34人。県によると、のり面の崩壊や落石などで珠洲、輪島両市内の道路10か所が通行止めとなっている。