絶対に許せない-。子どもを虐待から守り、養育を支える専門的立場の児童福祉司が、子どもとの面談中にわいせつ行為をしたとされる事件が起きた。関係者は絶句し、衝撃を隠せない。事件はなぜ起きたのか。被害児童のケアと原因究明、再発防止を求める声が上がった。(学芸部・嘉数よしの、社会部・新垣亮)
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性暴力根絶を求めて毎月、那覇市の県民広場で「フラワーデモ」を開いている上野さやかさんは「児童福祉司は子どもの味方になるべき人。本当に許し難い」と悔しさをにじませた。
児童相談所の職員が関わっていたことから「この子はもしかしたら、面談の以前から暴力を受けていたかもしれない」と危惧する。信頼させて子どもを手なずける「グルーミング」を行っていた可能性も指摘。「子どもから得た信頼を、自身の欲求を満たす方向に使ったかもしれない。面談の悪用は本当にショック」と怒りを隠さなかった。
フラワーデモで繰り返し訴えてきたのは「被害に遭ったあなたは悪くない」ということ。「被害者は自分を責めないでほしい。性暴力は臆測が先行しがち。周囲の人は冷静に子どもをケアしてほしい」と訴えた。
県PTA連合会の池間守会長も「正直驚いている。子どもを守らなければならない立場なのに。保護者の信頼にも背く行為だ」と悔しがる。「児相での職員の指導が徹底されず、甘かったのかもしれない」と述べ、原因究明や再発防止を求めた。
県小・中学校長会の宮國義人代表会長(那覇市立銘苅小校長)は、わいせつ行為が学校内で起きたことに衝撃を受けた。学校側は相談のケースに応じて、児相職員との面談の場として校内を提供している。
「面談は児童の生活環境の悩みなど心や体の負担を軽減するのが本来の役割。被害はあってはならないことだ」と断じた。「背景は全く分からないが、被害者のプライバシーなどさらなる被害も懸念される。県の対応を注視し、必要があれば対応策などの話し合いを進めたい」と語った。
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