5年ぶりに開催の園遊会、過去のハプニング&名場面を振り返る 場を和ませた天皇陛下の「ツッコミ」

5年ぶりとなる天皇皇后両陛下主催の園遊会が、5月11日に東京・赤坂御苑で開催。新型コロナの影響で2018年秋以降、開催が見送られており、両陛下にとっては、天皇皇后となられてから初めての主催、そしてお声がけをされることになる。過去の園遊会における、名場面やトリビアを紹介する。
●意外と知らない「園遊会」とは
起源は明治13年、大臣や諸外国の外交官を招いた「観菊会」と「観桜会」。昭和28年には園遊会と改められ、やがて地方自治体職員や各分野の功績者が招待されるように。春と秋の年2回行われ、2000を超える招待者とその配偶者が集まる皇室行事で最大規模の宴となる(今年は新型コロナの感染状況を踏まえて約1300人に縮小)。
●招待者にふるまわれる“お手製料理”の数々
会場にはテントが設けられ、ジンギスカン、焼き鳥、サンドイッチ、ちまきなどがふるまわれ、招待者は午後1時の開場から思い思いに酒食を楽しむ(今年は新型コロナの感染状況を踏まえて食事・アルコール類の提供はなし)。
「ジンギスカンと焼き鳥は御料牧場で飼育された羊と鶏を使って、宮内庁大膳課が調理し、お出ししています。皇室のホームメイドの料理を多くの招待者が味わえる唯一の機会ですね」(皇室解説者の山下晋司さん・以下同)
●場を和ませた天皇陛下の“ツッコミ”
2015年秋の園遊会には『ドカベン』で知られる漫画家の水島新司さんが出席。上皇陛下は「(過去に)絵をいただきましたね」と水島さんにお礼を伝えたのだが、実は水島さんの絵は天皇陛下宛てに献上されたものだったそう。そこで天皇陛下が「私がいただいたんですよ」と“ツッコミ”。周囲は笑顔になり、一気に場が和んだという。
●ハプニングにも咄嗟のご対応
長時間・大人数となれば、ハプニングは付きもの。
「車いすの利用者には“お出まし中もお座りになったままで”とお伝えしているのですが、それでも立とうとする方はいます。平成の初め頃、車いすに乗った方が陛下(現・上皇陛下)の前で立ち上がろうとしてふらつかれたんです。すると、誰よりも早く陛下が動かれて抱えられましたので、大事には至りませんでした」
●たった5名の「特別誘導者」
両陛下は招待客の経歴や人柄に至るまで事前によく調べられ、適切な声かけをされる。だが、数多くの出席者の中で懇談できるのはごくわずか。その中に、場所や順番も決められた「特別誘導者」と呼ばれる5名がいる。