大阪府は13日、府立障がい者交流促進センター(堺市南区)内にあるプールで同市在住の80代の男性が動かない状態で発見され、その後搬送先の病院で死亡したと発表した。現在センターはプールの利用を中止し、再発防止策を検討していくとしている。
記者会見した府や施設の指定管理者によると、12日午後0時15分ごろ、プールの底で動かなくなっている男性を隣のレーンで泳いでいた別の利用者が発見し、近くにいた職員が救助した。男性は病院に搬送されたが、13日午後、病院で死亡が確認された。
事故当時、16人がプールを利用し、プールサイドには監視員が2人と職員が1人いた。監視員は次のレッスンの準備のため、プールを監視しながら放送や表示の入れ替えなどをしていたという。
男性は泳がずに歩行するレーンにいたが、発見直前に水中に潜って手足を動かしている様子が別の利用者によって確認されていた。監視員は男性がプールに入り、水中に沈んでいく瞬間を確認できていなかったという。
文部科学省の指針に基づいて定めたマニュアル通りに運営されていたとしているが、府や指定管理者は「監視員が利用者の変化を目視できなかったことを重く受け止め、マニュアルが妥当だったのかも含めて検討していかなければいけない」と頭を下げた。【戸田紗友莉】