LGBTなど性的少数者への理解増進法案について、与党幹部は15日、自民党保守派の主張を反映させた修正案を19日の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)開幕前に国会に提出する方針を明言した。議長国としてジェンダー平等への取り組みを示す必要があると判断した。ただ、野党からは超党派の合意を崩したと異論が出ている。
法案に関し、岸田文雄首相(自民党総裁)は15日の政府・与党連絡会議で「国会提出に向けて議論が進んでいる」と指摘。同党の茂木敏充幹事長は記者会見で「今週には提出できる状況が整うと期待している」と述べ、公明党の山口那津男代表も党会合で「サミット前に国会に提出すべきだ」と語った。
自民党は12日の内閣第1部会などの合同会議で、修正案の扱いを森屋宏部会長らに一任。党内には異論もくすぶっているが、党執行部は16日の総務会で了承を取り付け、野党の同意を得られなくても、早ければ同日中に公明党と共同提出したい考えだ。
修正案は超党派の議員連盟が2021年にまとめた法案がベース。議連会長を務める自民党の岩屋毅元防衛相は15日、議連役員会にも修正の内容を説明し、理解を求めた。立憲民主党の西村智奈美代表代行は「後退だ」と批判したが、賛否は留保。日本維新の会や共産党、国民民主党からも疑問の声が上がった。
[時事通信社]