「教師不足」で崩壊する学校。激務による離脱者が続出、副校長が担任を兼務することも

教育現場も、日本のヤバさを象徴する場と化している。教師の数が不足し新学期が始まっても担任がいない、やむなく別の教科の教師が授業を担当するなどの事態が続出しているのだ。 ◆教師が足りず授業不可能。激務による離脱者も続出 文部科学省が’22年4月、「『教師不足』に関する実態調査」を行い、小中高および特別支援学級で不足している教員数は’21年度始業日時点で合計2558人に上ることが明らかになった。 これは産休や病休などによる正規教員の欠員を埋めたり、特別支援学級の増加に伴う臨時的任用教員(臨任)などを対象とするもので、4月の時点で教員が1人以上不足している地域が75%になる計算だ。 なかには、「始業式の時点で約100人足りていない」(教育関係者)という地域もある。一体、学校で何が起きているのか。現場の声を聞いてみた。 ◆副校長など役職つきの教員が担任を兼務することも 某県の中学校に勤めるAさん(41歳)はこう話す。 「休職した先生の代わりになる臨任がおらず、新学期になっても担任をつけられない状態。仕方ないので教務主任、学年主任、副校長など役職つきの教員が担任を兼務することもある」(同) とも。こうした状況は、教育の質にも少なからず影響するようだ。 「うちの小学校では算数の授業を少人数指導で行っていましたが、今年は講師が来ずクラス分けができなくなった。そうなると、学習効果が全く違ってきてしまいます。きめ細かい指導ができなくなり、理解度の低い子が置いてけぼりになってしまうのです」(教員Bさん・38歳) ◆部活動の負担や保護者の理不尽な仕打ちによる退職や休職も続出 部活動などの過重労働や経済的負担による退職も後を絶たない。公立中学でサッカー部顧問をするCさんは語る。 「部活はボランティアに近く、持ち出しも増える。生徒の送り迎えをすることもあるのでファミリータイプのワンボックスカーは必須で、それだけで500万~600万円はかかります」 保護者からの理不尽な仕打ちにも耐えなければならない。 「授業を抜け出してタバコを吸っていた生徒を叱ると、親から『お前の授業がつまらんからや』とクレームがくる」(Dさん・中学校勤務・42歳) こうしたストレスによる退職や休職も珍しくなく、「うつ病で休職した先生がいたのですが、その人は異動が決まっていたので実質的に学区内で2人不足する事態に」(Fさん・中学校勤務・50歳)という声も。