ウクライナのゼレンスキー大統領が20日、来日し、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席することについて、開催地・広島の市民や被爆者らからは期待と注文の声が聞かれた。
サミットに通訳ボランティアとして関わる広島市安佐南区の私立大4年、今村萌さん(21)は「厳しい情勢の中、国を出る決断をしたことはすごいと思った。ロシアとウクライナの戦争が終わるよう、平和に向けた話し合いを広島でしてほしい」と願った。
自身のツイッターでサミットについて頻繁にコメントを投稿している広島市中区の会社員、五十畑(いそはた)陽太さん(24)は「オンラインで参加するとされていたゼレンスキー氏が実際に来日するとは思わなかった。G7首脳はロシアによる侵攻の早期終結に向け、ウクライナに対してできる限り、最大限の支援をしてほしい」と求めた。
広島県原爆被害者団体協議会の大越和郎事務局長(83)は「電撃来日に驚いている。G7には核保有国もあるから、サミットでは核廃絶が真正面から議題にならないだろうと諦めていた。最も核兵器の危機にさらされている国のトップが平和都市に来て議論に臨む以上、核保有国は核廃絶に向けて動き出してほしい」と訴えた。
サミットの取材拠点となっている国際メディアセンター(広島市中区)では、ゼレンスキー氏の広島空港到着を報じるニュースに国内外のメディア関係者が見入った。【根本佳奈、安徳祐】