「二度と起こさない」 明石砂浜陥没事故、被害女児命日から21年 市長らが事故現場に献花

兵庫県明石市の大蔵海岸で平成13年12月、人工砂浜が陥没した事故で、生き埋めとなった金月美帆ちゃん=事故当時(4)=が亡くなってから21年となる26日、同市の丸谷聡子市長や市幹部らが追悼のため事故現場で献花した。
丸谷市長らは午前9時ごろ、事故現場の砂浜に設けられた献花台に花束を置き、手を合わせた。先月の市長選で初当選した丸谷市長。事故当時は「普通の市民、母親で、金月美帆さんと年の近い娘がいるので本当に自分事のように感じ、遺族の気持ちを考えるとつらい思いをしたのをはっきり覚えている」と振り返り、「二度とこういうことを起こさない。そのためにしっかりやっていくという決意を新たにした」と語った。
また、事故を受けて制度化された明石市の「海岸モニター制度」に触れ、「市民の皆さまから、些細(ささい)なことでも変化があれば教えていただく仕組みもできている。そうした声に敏感に反応していける役所づくりをしていきたい」と強調。「少しでも安全に問題があると市民から声があれば、すぐに現場に出向くという役所の文化をつくることで、事故を未然に防げると思う」との考えを示した。
事故は13年12月30日昼に発生。東京から父親の実家に家族と帰省していた美帆ちゃんが、砂浜を散歩中に陥没に巻き込まれた。意識不明となった美帆ちゃんは14年5月26日、低酸素性虚血性脳障害で5歳で死亡した。当時の国や市の管理担当者計4人が業務上過失致死罪に問われ、有罪が確定した。