女性2人は胸から背中に達する深い刺し傷、警察官2人には殺傷能力高い「スラッグ弾」使用か

長野県中野市江部で4人が刃物や猟銃で殺害された事件で、一般人女性2人の遺体に複数の刺し傷があり、胸の傷はいずれも背中近くまで達するほど深かったことが29日、捜査関係者への取材で分かった。警察官2人は、通常の散弾よりも殺傷能力が高い「スラッグ弾」で撃たれた可能性があることも判明。県警は、青木政憲容疑者(31)の強い殺意を裏付けるものとみている。
捜査関係者らによると、青木容疑者は25日午後4時20分過ぎ、一緒に散歩していた中野市江部の竹内靖子さん(70)と村上幸枝さん(66)を自宅前で待ち構え、刃物で襲った。最初に襲われた竹内さんの遺体には、胸などに十数か所の刺し傷があった。逃げ出した村上さんも約150メートル離れた畑で青木容疑者に追いつかれ、背中2か所と胸1か所を刺された。左手の指には、抵抗した際にできたとみられる切り傷もあった。
2人の胸の刺し傷は背中側まで達しており、県警は目撃証言も踏まえ、サバイバルナイフが使われたとみている。
青木容疑者は女性2人を刺した後、目撃者らの通報を受けて駆けつけた中野署地域課の巡査部長・池内卓夫さん(61)と警部補・玉井良樹さん(46)に向けて猟銃を発砲。パトカーのドライブレコーダーの映像などから、運転席の池内さん、助手席の玉井さんの順に撃ったという。
銃弾は池内さんの体を貫通しており、県警は青木容疑者がスラッグ弾を使用した可能性があるとみている。スラッグ弾はイノシシやシカなどの狩猟用として使われる単発の強力な銃弾。目撃者によると、銃撃後、パトカーの近くには薬きょうが2個落ちていたという。