約500万円の授業料の返金をめぐり騒動が報じられた東京・港区のインターナショナルスクール「Xスクール(仮名)」が5月31日、報道に対して公式声明を出した。
「Xスクール」は、2011年にリナ・ローズ氏によって創立された。0歳から6歳までの乳幼児を対象とし、外国語教育のほか、音楽やダンス、食育などにも力を入れていた。
「子ども1人の授業料は1年間で約500万円と高額ではあるものの、早期教育への関心が高い保護者が集まり、およそ100人が通っていたこともあったそうです。『ELLE』などのファッション誌に取り上げられていたのも魅力に映ったことでしょう。麻布エリアにあり、子どもを通園させる芸能人や一流アスリートなども実際に複数名いました。
設立者のリナ・ローズ氏も有名人です。高級ブランド『プラダ』の日本法人を相手に、元従業員として『社内の女性差別を報告したら降格・解雇された』と訴え、裁判で争ったことで注目を集めました」(教育系ライター)
この裁判では結局、東京地裁がリナ・ローズ氏側の主張を退けており、その後『プラダ』はこのことによってブランドが傷ついたとし、名誉毀損で反訴している。
5年以上にわたる家賃滞納トラブル
この「Xスクール」に関して、テレビ朝日系情報番組『グッド!モーニング』が5月30日、同Xスクールに保護者たちが授業料の返金を求めてトラブルになっていることを報じた。
報道によると、もともと家賃の滞納により、建物を借りているスクール側と建物のオーナー側で5年以上にわたってトラブルになっていた。今年3月に建物のオーナー側への明け渡しが強制執行されたことで事態を把握した保護者たちが退学を決断し、前払いで振り込んだ授業料の返金を求めたところ、取り合ってもらえず、弁護士への相談が相次いでいるという。
翌31日、「Xスクール」は『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)への抗議文を公式Instagramアカウントに掲出した。内容は、以下の通りだ(※原文は英語)。
〈2023年5月30日放送の『グッド!モーニング』には事実の捏造、流布が含まれていました。虚偽の情報を流したり、学校のコミュニティについて中傷的な発言をしたり、私たちの評判に重大な損害を与えました〉
“事実の捏造”を主張するだけでなく、“無許可での撮影”だとして抗議してもいる。
〈私たちの学校と建物の所有者の許可なしに映像を撮影したことは明らかです。私たちの権利の侵害です。私たちはこれらの犯罪の深刻さと悪影響を重く受け止めています。彼らは私たちの学校、生徒、スタッフ、保護者を傷つけました〉
その上で、テレビ朝日のトップや『グッド!モーニング』制作陣に謝罪を要求した。
〈テレビ朝日の会長(原文ではChairman)、『グッド!モーニング』ディレクター、記者に対して、あらゆる名誉毀損行為をやめ、商標権を侵害するようなコンテンツの不正使用を控えること、オンライン上のすべての関連するコンテンツを削除すること、そして公的な謝罪を直ちに求めます〉
さらに取材に協力した保護者らに法的措置を取るとして、断固とした姿勢を示している。
怒りをあらわにする「Xスクール」。泥沼の騒動の行方は──。NEWSポストセブンではこの一連の騒動について続報していく。