大阪地裁で開かれたストーカー事件の公判で30日、法廷内のやり取りを録音しようとした弁護人が裁判官の退廷命令に従わず、手錠を掛けられて強制的に退廷させられた。同日の制裁裁判で過料3万円を言い渡されたという。弁護人の中道一政弁護士(大阪弁護士会)が明らかにした。
制裁裁判は法廷秩序維持法に基づき、裁判所の命令に従わない場合、開かれる。
中道弁護士によると、ストーカー規制法違反に問われた女の被告の弁護を担当。被告の希望で法廷でのやり取りをICレコーダーで録音した。裁判官から「録音を許可しない」と告げられて退廷を命じられ、これに従わなかったところ、職員らに手錠を掛けられて退廷させられた。その後、過料を言い渡されたという。
中道弁護士は取材に「録音の不許可の理由を裁判官が一切説明しなかったのはおかしい」と述べた。制裁裁判の決定について不服を申し立てる予定。