「こんな所が防衛拠点に」市民驚き 台風過ぎた石垣市に自衛隊PAC3 駐屯地ではなく港湾エリアで展開

台風2号が沖縄地方から遠ざかった2日、北朝鮮の「衛星」発射を巡り、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が石垣市、宮古島市、与那国町で迎撃態勢を整えた。駐屯地ではなく港湾エリアに展開した石垣市では物々しさに市民が驚き、情報を知らされていなかった民間業者の作業が中断するトラブルも。台風接近中に展開できなかった状況も明らかになる中、「何のための配備か」と疑問視する声も上がった。(八重山支局・平良孝陽、社会部・島袋晋作、普久原茜)
この日、PAC3が展開した石垣市の南ぬ浜町新港地区は有刺鉄線で立ち入りが規制され、物々しい雰囲気に包まれた。
正午ごろ、ある建設業者が訪れ、台風対策で同地区に保管していた建設資材を搬出しようとしたものの、立ち入りが認められず。作業が一時できなくなった。市の担当者などと相談し、無事資材を運び出せることになったが、業者の1人は「われわれも許可をもらって資材を置いていた。一言くらい連絡があっても良かったのに」と不満を漏らした。
釣りに来ていた市内の男性(40)は「こんな所が防衛拠点になっているとは」と驚いた様子。「ウクライナもロシアのミサイルを迎撃しているというニュースがあり、ここでも撃ち返すものがなければ。北朝鮮の発射に対応できる抑止力として安心できる」と語った。
現場に駆け付けた「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」共同代表の波照間忠さん(54)は「国は『島を守るための配備』と言うが、1発目の発射に台風で展開できなかった。軍備強化の既成事実をつくろうとしているのか、本音が分からない」と疑念を深めた。
与那国町の植埜貴子さん(39)も「本当に吟味の上で配備が決まったのか疑問。置いてあるという事実が大切だったのではないか。これを機に、さらに与那国に軍備を増強していく流れになってしまわないか」と不安げだった。
宮古島市の駐屯地近くに住む農家の仲里成繁さん(69)は、台風接近中にPAC3部隊が展開できなかったことに対し「自衛隊は住民ではなく、PAC3を守ったということ」と指摘。「島の軍事要塞(ようさい)化がますます進むのではないかと心配だ」と声を落とした。