「赤ちゃんダメだった、ごめん…」“沼津遺体遺棄”乳児を焼いた“ナニワのホス狂”浅沼かんな容疑者(24)が知人に送った「ママLINE」のすべて から続く
静岡県沼津市の千本浜海岸で、生後間もない女児の遺体を燃やしたとして2日までに浅沼かんな容疑者(24)と高見直輝容疑者(20)が逮捕された死体遺棄・損壊事件。
売れないホストとその太客として大阪で出会った2人。互いに依存を深めたあげく、遊ぶ金欲しさに周囲に金をせびり続けた男と女は人生を転げ落ち、さびしい浜辺で乳児を焼くという結末に至る。その足取りを文春オンラインは追ってきたが、今回、また新たな事実が明らかになる。
“我が子”を金を借りるための“ダシ”にしていた
それは浅沼容疑者の異常なほどのカネへの執着だ。彼女は地元・沼津でリアルな交友関係の範疇を越え、マッチングアプリまで使って見ず知らずの男性たちから金を騙し取るような生活を送っていた。
金を借りるために“ダシ”にしていたのは、浅沼容疑者の“我が子”だった。容疑者の知人男性が語る。
「浅沼には4年前、マッチングアプリを使って知り合いました。自分はキャバクラで働いていて、勤め先の寮に住んでいると言ってました。『夫からDVを受けて別れた』『私の生活能力が低くて、1歳の娘の親権を奪われた』『面会もできない』と、つい助けたくなってしまうような身の上話を聞かされました」
「娘が連れていかれてしまう」迫真の演技で泣き落とし
男性は続ける。
「ひと言で言えば、負のオーラをまとった女性。悲劇のヒロインっぽく見せて、同情を誘うのが上手というんでしょうか。出会って4、5回は食事だけのデートをしました。それである時、急に金を貸して欲しいと相談をされたんです。1歳の娘の写真を見せながら……」
借金を申し出る浅沼容疑者は、迫真の演技を見せていたようだ。
「子供の写真を見せるとすぐに涙を流し始め、『子育てのお金がないから、仕方なく闇金からお金を借りてしまった』『20万円を今払わないと娘が連れていかれてしまう』と切羽詰まったような怯えた表情で、泣き落としを仕掛けてきました。私が子供好きだと話していたから、そういう戦術をとったのでしょう。結局、子供のことを考えると拒否できなくなっちゃって、『子供のためにちゃんと使えよ!』と毎月1万円ずつの返済を約束し、結局金を貸すことになりました」
支払いの遅れを詫びる手紙が来たことも
だが結局、浅沼容疑者からは1円すら返金されることはなかった。トラブルを避けるためか、返済期日延滞の理由も工夫を凝らしたものだったという。
「携帯を他にも持っていたのか、母親になりすましたLINEアカウントから『娘は病気で入院しているから払えない』とメッセージが来たこともあります。他にもスピード違反で警察に捕まり留置されているから返済できないという言い訳もありましたね」
留置所からメールで連絡するのは怪しまれると思ってか、わざわざ郵送で支払いの遅れを詫びる手紙が来たこともあるという。
〈私は今つかまっていてそこで働いています。いつも助けてくれていたのにこんな形になってすいませんでした。ここを出たら1番に会いたいです。お金も返済します〉
地元・沼津では“債権者”たちに追われる日々
しかし、その後連絡は途絶え、結局行方がわからなくなってしまう。浅沼容疑者の借金エピソードは枚挙に暇がない。沼津だけでも複数の債権者に追われ、“包囲網”が敷かれていたようだ。容疑者に金を貸していた別の知人男性が続ける。
「友達から『浅沼が近所の公園にいる』と連絡をもらって、駆け付けたことがあります。警戒心を解こうと柔らかく話しかけたのですが、『トイレ行ってくる』と言って、そのまま中に閉じこもってしまい……。仕方なくトイレの外で待っていると、ヤンキーみたいな男性が車に乗って現れ、『かんなどこ? 浅沼かんなどこ行った?』と血相を変えて私に聞いてきました。結構ヤバそうな見た目の人だったので、巻き込まれないようにその場を後にしました。多分、彼も浅沼に金を貸していたたくさんの男のひとりだったんじゃないですかね」
地元・沼津では目撃情報ひとつで“債権者”たちに追われる日々。狭まる包囲網をかいくぐり、浅沼容疑者は大阪に“新天地”を求めたのだろうか。
天才的な詐欺まがいの手口でホストからも金を巻き上げる
マッチングアプリはホストが潜在的な客を見つけるために使われることも多い。ところが浅沼容疑者の場合は、女性を狩ろうとするその道のプロをも出し抜き、逆に金を奪うこともあったという。被害者ホストが語る。
「昨年末にマッチングアプリで知り合いました。すぐにかんなが“ホス狂”であることはわかったのですが、ポッキーの箱に100万円以上入れている動画をインスタにあげてたり、別のホストクラブで1本200万円する飾りボトルをいれた写真を見せつけてきたりと、羽振りがいいように見えたんです。他でめっちゃ金を使ってそうだったので、油断して『新幹線代がない』みたいな理由で、10万円以上貸しちゃいました」
天才的な詐欺まがいの手口にはまったこの男性ホストが貸した金は、当然のように戻ってこなかった。
金を貸した人々は泣き寝入りを強いられたまま
「返済してくれと迫ったら、インスタはブロックされるわ、LINEのアカウントは消滅するわ。諦めかけていた頃、なぜかかんなでなく、高見容疑者から連絡が来て、『代わりに返す』と言ってきたんです。良かったと思って銀行口座を教えたのですが、待てど暮らせど振り込まれません。しびれを切らして高見に問い合わせても、彼は『振り込んだ!』の一点張り。めちゃくちゃな連中ですよ」
マッチングアプリを使いこなし、子供をダシに金を騙し取っていた浅沼容疑者。巧妙な手口でたぶらかし、稚拙な言い訳で踏み倒し――金を貸した人々は泣き寝入りを強いられたままだ。“余罪”の被害は深刻である。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))