NHK、予算問題を認識しながらBS配信設備の調達図る…内部資料に「会計検査リスク」

NHKによるBS番組のインターネット配信の予算化問題で、現行制度上、配信が認められず、一部は使えなくなる可能性があると知りながら設備の調達を図ろうとしていたことが5日、分かった。「社会にどう受け止められるか」「会計検査等のリスクも」と問題を認識しながら準備を進めていた。配信事業に対してNHKが前のめりだったことが改めて浮き彫りとなった。
NHKは、動画配信サービス「NHKプラス」でのBS番組の配信を2024年度から始めるため、関連設備の購入案を作成。前田晃伸前会長(今年1月退任)時代の昨年12月に一部役員に 稟議 (りんぎ)書を回し、総務相認可が必要なNHKの規則「インターネット活用業務実施基準」の変更について議論をせずに決裁した。今年度予算に約9億円を盛り込んでいた。
読売新聞が入手した4月4日付の「NHKプラスBS配信について」と書かれた内部資料では、今回の稟議書による設備調達について「開発進行中」とした上で、NHKプラスで来年4月から、BS全番組の同時・見逃し配信の本格実施を明記している。
ただし、現在の放送法では、NHKのネット業務は、本来業務である「放送」と違い、放送を補完する任意業務。事業拡大には実施基準の変更が必要となる。経費の上限も年200億円と決められている。
そこで資料では「法改正の流れの中で、24年度BS本格配信は、当面、対外説明が難しい懸念」があると認め、「23年夏の時点で、法改正やその内容の具体化に先行して、BS配信の実施、200億円を超える業務拡大が、社会にどう受け止められるか?」と補足している。
さらに購入を目指す設備については、「開発した設備の中には使わないものもでる(会計検査等のリスクも)」と無駄になる可能性があることを認識していた。
現在では、今回の予算の使用目的を変更し、12月から始まる新BSチャンネルの広報費用などとしており、違法性はないとされる。