静岡県の湖西市いじめ問題調査委員会(委員長・原道也弁護士)が不登校になった市立中学校の元生徒へのいじめを認定したことを受けて、市教育委員会の渡辺宜宏教育長は6日夜、市新居地域センターで元生徒の両親と面会して謝罪した。母親は元生徒の現状を「14歳でうつ病を発症。薬を飲まなければ眠れず、1日に何回も立ちくらみがしている。進路も限られた。この4年間、大変な思いをしてきた」と伝えた。【山田英之】
渡辺教育長は「お子さんの気持ちに学校、市教委が十分寄り添って対応できず、長期間、苦しませた。本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げた。「いじめの重大事態が二度と起こらないように対応したい」と再発防止を誓った。
報告書を受けた対応策として、市教委の中にいじめに対応する第三者委員会を常設▽校長、教頭も対象にいじめ関連の法解釈を学ぶ研修を実施▽機能しなかった学校内のいじめ対策組織の見直し――を挙げた。県弁護士会や医師会に第三者委メンバーの推薦を依頼したと説明した。
元生徒の両親は報告書に対する意見書で「調査対象になる市教委の下に(調査を行う)第三者委があっても機能するとは思えない」と主張。母親は「第三者委にたどり着いた時、子どもの心は既に傷つき、とても通学できる状態ではない。いじめの芽を摘む活動をしてほしい」と市教委に要望した。
調査委の報告書は今年5月、いじめに該当する行為があったと認定。同じ部活動に所属する同級生の一部が、元生徒と距離を置き、元生徒に怖いと思わせるような言動をしていたとした。元生徒の不登校が30日間を超えた2019年11月の時点で、学校側はいじめの重大事態と認めるべきだったと指摘。学校や市教委の対応を不適切と批判した。
謝罪を受けた後、記者会見した母親は「本当に反省しているのか。行動で示してほしい。いじめ防止対策推進法やガイドラインをしっかり守っていただきたい」と市教委に注文を付け、関係した教諭たちへの厳しい処分を求めた。