大手回転ずしチェーン「スシロー」の店舗で客の少年が卓上のしょうゆ差しの注ぎ口をなめる動画が拡散した問題を巡り、スシローを運営する「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)が岐阜県の少年に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟で、少年側が「客が減少した原因は他店舗との競合も考えられる」などと反論して請求棄却を主張していることが9日、分かった。
少年側は5月に提出した答弁書の冒頭で「本件訴訟は被告の迷惑行為に端を発している。被告は現在も反省の日々を送っている」と言及。一方で、スシロー側の「(動画拡散が原因で)客が減少した」との主張に対し、「回転ずし業界は競争が激しい。現場店舗の立地を踏まえると、客が減少した原因が他店舗との競合にあることなども考えられる」と反論した。
スシロー側は3月に大阪地裁に提訴。訴状によると、少年は1月3日、岐阜市の「スシロー岐阜正木店」に友人と来店。しょうゆ差しの注ぎ口をなめたり、回転レーン上のすしに指で唾液を付けたりする少年の行動を友人が撮影したという。
動画が交流サイト(SNS)上で拡散され、その後、客が大幅に減少。親会社の株価に影響し、時価総額は同30~31日に160億円以上下落したとされる。
スシロー側は「多くの客に著しい不快感を与えた」と主張し、得られるはずだった売り上げや、会社の信用低下に伴う損害金の支払いを求めている。