9日にご成婚30年を迎えた天皇、皇后両陛下は、笑顔あふれる生活を大切に、長女の敬宮(としのみや)愛子さまと家族3人の絆を強められてきた。お二方でさまざまな公務に臨まれ、成年を迎えた愛子さまが両陛下に同行される機会も増えている。
「私自身幸せな家庭に育った経験をもつ者として、安らぎのある明るい家庭を築いていきたいと思います」。天皇陛下は平成5年1月の婚約直後の記者会見で述べた抱負を、皇后さまとともに30年間の結婚生活で体現されてきた。
皇后さまは15年から療養生活に入られたが、陛下はこれまでの会見で繰り返し「無理をせずにできることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしい」と述べ、見守られてきた。「大変な時にも、『笑い』を生活の中で忘れない」(ご成婚25年に際しての文書回答)ことも心がけてこられた。
13年に愛子さまが誕生されると、陛下は寝かしつけや絵本の読み聞かせなど、ご自身で子育てに取り組まれた。愛子さまは昨年、成年に当たっての会見で、両陛下を「一番近くで寄り添ってくれるかけがえのない有り難い存在」とご表現。ご一家で仲むつまじい日々を過ごされている。