ダイブ騒動の山本太郎代表は登院停止不可避? れいわ側は体張った〝さらなる闘争〟予告

れいわ新選組の山本太郎代表が参院法務委員会で起こしたダイブ騒動で、登院停止などの重い懲罰が科される見通しだ。これに対し猛反発している山本氏や同党側は、終盤国会で体を張ったさらなる“闘争”を予告している。山本氏は8日、参院法務委員会の改正入管難民法の採決時に委員長席に向かって、ダイブを繰り返した。この際、自民党議員の2人がケガをして、自民党、立民、維新などの与野党は「参院の秩序を著しく乱した」と懲罰動議を提出。山本氏はケガをさせる意図はなかったとして、懲罰は不当だと訴えている。 どのような懲罰になるのか。暴力沙汰では2007年、衆院厚労委員会で民主党(当時)の内山晃衆院議員が自民党の桜田義孝委員長を羽交い締めしたとして、登院停止30日間の懲罰となった。
一方15年、参院平和安全法制特別委員会での安全保障関連法案の採決時、民主党(当時)の小西洋之参院議員がダイブ。自民党の“ヒゲの隊長”こと佐藤正久参院議員に拳で迎撃されたことは語り草となっている。小西氏に懲罰は出ていない。
野党議員のベテラン秘書は「この程度の議事妨害は珍しくない。以前なら厳重注意で済むところですが、ガーシー(元参院議員)の除名やれいわの櫛渕万里衆院議員が紙を掲げた示威行為だけで登院停止10日間になるなど、懲罰のハードルが低くなっている。ややこしいのは立憲も懲罰動議を提出したことで、与党側を助けている。山本氏は除名まではいかないまでも、登院停止は避けられないのでは」と指摘した。
対するれいわ側は引き下がるつもりはない。11日、NHK「日曜討論」に出演した同党の高井崇史幹事長は「暴力ではない」と主張したうえで、「これからもあらゆる手段を使って悪法を阻止するために行動することを約束します」と宣言している。
21日に会期末を迎える国会では、防衛費増額に向けた財源確保特別措置法案の採決などが参院で控えている。山本氏は懲罰次第で身動きが取れなくなるものの、同党の参院会派には大島九州男氏や木村英子氏らが所属している。車イスで活動している木村氏は3月の予算案採決時、山本氏とともに牛歩戦術に出ており、れいわ議員総出でなんらかの行動に出るだろう。