自衛隊員を銃撃したとして殺人未遂容疑で逮捕されたのは、18歳の自衛官候補生の男だった。岐阜市の陸上自衛隊「日野基本射撃場」で14日、隊員3人が死傷した事件。同僚に銃口を向けるという事態に、付近の住民らに衝撃が走った。
事件が起きたのは午前9時10分頃だった。「普段はとても静かな場所で、射撃の練習音が時々聞こえる程度だった。30年以上住んでいるが、こんなことは初めて。近くで事件が起きて不安だ」。近所に住む80歳代の女性は声を震わせた。
射撃場の北側にあるアミューズメント機器製造会社代表の男性(48)は、出社した際、射撃場の敷地内にパトカーや消防車が止まっていたのを目撃した。ヘリコプターの 轟音 (ごうおん)が響く中、警察官が渋滞しないように車を誘導していたという。男性は「撃たれたと聞いて驚いた」と話した。
近くのパチンコ店の男性店長(43)は「サイレンのけたたましい音が聞こえ、店の駐車場に様子を見に行くと、パトカーや消防車が列をなして止まっているのが見えた。発砲事件だったとは」と驚いた様子だった。
日野基本射撃場は、岐阜市中心部から北東に約5キロ離れた国道248号沿いにあり、周辺には大学や飲食店、住宅が点在している。
防衛省東海防衛支局の広報誌によると、1907年に旧陸軍の射撃場として開設され、米軍の接収を経て60年に陸上自衛隊が使用を開始した。広さは約6・7ヘクタールで、現在は陸自中部方面隊守山駐屯地が管理しており、自衛隊員が射撃の訓練に使用している。
事件の一報を受け、東京・市ヶ谷の防衛省では、陸自隊員が慌ただしく省内を移動し、情報収集に追われた。陸自の広報担当者は集まった報道陣に対し、「状況の確認中。判明し次第、お伝えする」と話した。
陸自第10師団のベテラン隊員によると、新入隊員は弾が入っていない銃で扱いを学び、空包での訓練を経て実弾で射撃訓練をする手順を踏むといい、「候補生になったばかりでこんな事件を起こすなんて、言葉がない」と話した。