岐阜市日野南にある陸上自衛隊「日野基本射撃場」で3人が死傷した発砲事件を巡り、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男(18)(殺人容疑で送検)の勤務態度について、陸自が「問題なし」と評価していたことが防衛省関係者への取材でわかった。岐阜県警や同省は、男が突発的に銃撃に及んだ可能性もあるとみて経緯を詳しく調べる。
陸自によると、男は4月に入隊し、第35普通科連隊(名古屋市守山区)の新隊員教育隊で自衛官になるための教育・訓練を受けていた。
同省関係者によると、自衛官候補生は採用段階で適性検査を受ける。入隊後も、指導担当の自衛官がつき、勤務状況や生活態度に変わった点がないかなどを評価して記録に残す仕組みになっている。
事件後、陸自が男に関する入隊後の記録を確認したところ、特に問題はないとの評価だった。
事件当日の射撃訓練は午前8時頃に始まり、安全教育などを行った後、午前9時頃から実際の射撃が始まった。男を含む約70人の候補生らは指定された場所へ順番に入り、射撃を行っていた。男が指導役に向けて発砲したのは、射撃が始まった直後の午前9時10分頃とされる。県警や同省は、この間に男と指導役との間でトラブルが起きた可能性があるとみている。
自衛官候補生の志願者は減少傾向で、防衛省では募集に苦慮している。ある同省幹部は「候補生は貴重な人材で、教育隊ではかなり大切に扱っていた」とする一方、「武器を扱う以上、厳しい指導をすることもある。それでも、最近は体に触れることすらハラスメントと言われることもあり、丁寧な言葉で接していたはずだ」と語った。