18日、北海道南部の八雲町の国道で、都市間高速バスとトラックが衝突し、5人が死亡した事故…亡くなった乗客3人は、運転手の真後ろのシートに座っていたとみられることが新たにわかりました。
19日正午ごろ、八雲町野田生の国道5号線で、札幌市から函館市に向かっていた都市間高速バスと、反対車線を走っていたトラックが正面衝突しました。
この事故で、バスの乗客3人と運転手、トラックの運転手の合わせて5人が亡くなり、他に乗客12人も重軽傷を負いました。
バスを運行していた北都交通によりますと、亡くなった乗客3人は、運転手の真後ろの3番、その後ろの6番、さらに、その後ろ9番の3席を予約し座り、事故に巻き込まれたとみられることが新たにわかりました。
バスは、運転席から後方が大破していて、警察も、予約時と異なる座席だった可能性はあるものの、亡くなった乗客3人は、この3席だったとみて、引き続き調べをすすめています。
亡くなった乗客3人のうち、函館市の職員、若崎友哉(わかさき・ゆうや)さん33歳は、2012年に職員となり、現在は人事課に勤務。
取材に応えてくれた同僚は「まったく受け入れられない。すごく残念。成績優秀で、後輩の人望も厚かった」と、突然の別れを悼みました。
バスを運行していた北都交通によりますと、亡くなった運転手の興膳孝幸(こうぜん・たかゆき)さん64歳は、勤続15年…少なくても3年以上、軽微な接触等もない無事故の優良乗務員として、社内表彰も受けていました。
後輩から慕われ、信頼も厚かったといいます。
興膳さんの親族も「突然すぎて…まさかって、信じられないっていう感じ。もともと、建設業をやっていて、20年くらい前、腰を痛めて、力仕事でない運転手を選んだ。車が好きだったし、車が好きだということで。(人柄は)優しいし、面倒見が良かった」と悲痛な思いを話しました。 「双方の運転手が亡くなっているということで、どういう状況かわからないが、しっかり捜査して欲しい」
一方、トラックは、青森県の養豚会社「日本クリーンファーム」の所有で、亡くなった運転手の梶谷誠さん65歳だけが乗車し、ブタ30匹を運んでいました。
八雲町にある「日本クリーンファーム」道南事業所の事業所長によりますと、梶谷さんは勤続30年ほどのベテランで、ふだんは事故時と同様、養豚の出荷、運搬をしていました。勤務態度などに特に問題はなかったといいます。
18日は、森町のトラック停車場から七飯町の養豚農場で養豚を乗せ、八雲町の食肉加工場に向かっていました。
勤務開始時間は確認中ですが、いつもと同じ午前6時半くらいからとみられています。
運搬していた30匹も、通常の数で、トラックの規模からみて、過積載はなく、養豚の重さで、ハンドルを取られることは、考えられないと説明しています。
警察は、付近を走行していた車のドライブレコーダーの映像などから、トラックが反対車線にはみ出したとみて、過失運転致死傷の疑いも視野に捜査しています。
この事故で、亡くなった方は、下記の5人です。
<バスの乗客> ・函館市旭町の函館市職員、若崎友哉(わかさき・ゆうや)さん 33歳男性 ・鹿部町本別のパート従業員、高清水忍(たかしみず・しのぶ)さん 57歳女性 ・札幌市清田区平岡公園東の職業不詳、高橋裕美(たかはし・ひろみ)さん 55歳女性
<バスの運転手> ・札幌市清田区北野の会社員、興膳孝幸(こうぜん・たかゆき)さん 64歳男性
<トラックの運転手> ・森町港町の会社員、梶谷誠(かじや・まこと)さん 65歳男性