ポーズなのか、それとも本気なのか──。自民党の茂木敏充幹事長が、自公連立の“解消”について口にしはじめた。本気だとしたら、党内が大騒ぎになるのは必至だ。
茂木発言が飛び出したのは、19日の記者会見。世論調査で「連立を解消すべきだ」との回答が多いことについて、「野党支持者に限らず、わが党の支持者でもそういった声が一定数ある」と話したのだ。
実際、共同通信の調査では、自公連立を「解消すべき」が59.6%と、「継続するべき」の29.4%を上回った。自民支持層でも「解消」44.8%、「継続」48.8%と拮抗し、支持層の半数が「解消」を望んでいる。
しかし、いま自公関係は、衆院・東京選挙区の候補者調整が決裂し、ただでさえ亀裂が生じている状態だ。自民党幹事長が「わが党の支持者でもそういった声が一定数ある」と会見で明言したら、公明党内に疑心暗鬼が広がり、さらに関係が悪化する可能性がある。
「自公関係は強固だ」などと、当たり障りのないことを言っておくことも可能だったはずなのに、なぜ、わざわざ「わが党の支持者にも……」などと発言したのか。発言をきっかけに、自民支持層から「連立を解消すべきだ」の声が大きくなる可能性だってあるだろう。
「自民党内の声を代弁したのではないか。自民支持者だけでなく、議員のなかにも“連立解消論”を唱える者が増えていますからね。公明党の集票力が落ちているうえ、公明とタッグを組むことで逃げる票があると考えはじめている。国民民主党と連立すればいいという声もあります。そもそも、茂木幹事長は、最初から公明嫌いです。自公関係がギクシャクしはじめたのも、茂木幹事長になってからです。意外にホンネかもしれません」(自民党事情通)
しかし、公明党の支援がなければ、前回衆院選では57人が落選していた、というデータもある。
「どうせ公明党は政権から離れられない、とタカをくくっているのでしょう。それと、茂木さんのことだから、いつものスタンドプレーではないのか。岸田首相を揺さぶった、ということも考えられます」(政界関係者)
「下駄の雪」と小バカにされている公明党は、どうするのか。