約50年前の閉館以降は空き家、持ち主不明の旅館を略式代執行で撤去…戦前に建造か

和歌山市は19日、所有者不明で倒壊の恐れがある同市雑賀崎の旅館「太公望本館」の撤去を、空家対策特別措置法(空き家法)に基づき、略式代執行で始めた。同法による略式代執行は市では初めて。
旅館は鉄筋コンクリート造、一部木造の3階建て(延べ床面積937平方メートル)。市によると、戦前に建てられたとみられ、1975年頃に閉館して以降空き家になっている。所有者も既に死亡し、相続人も相続を放棄していることから、持ち主が確認できない状態だった。
近隣住民から危険性を指摘する通報が相次いだことを受け、市は対策を検討。今年3月に同法に基づき解体撤去をするよう公告していたが、期限の5月22日までに完了しなかったため、6900万円の費用をかけて市が解体撤去することを決めた。
19日は旅館の前で、和中潤一・市建築住宅部長が略式代執行の開始を宣言。事業者が囲いを設置するなどの作業を始めた。撤去は来年3月中旬には完了する予定。
市空家対策課の高木啓江課長は「倒壊した場合は多大な被害が想定される。一日も早く地域住民に安心安全を届けられるよう作業を進める」と話した。