北海道八雲町の国道で長距離バスとトラックが衝突して5人が死亡した事故で、バスが衝突直前にブレーキを踏んだが、制動が始まる前にぶつかったとみられることが21日、捜査関係者への取材でわかった。トラック側の路面にブレーキ痕はなく、北海道警は2台が減速しないまま正面衝突した可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、バスの後続車のドライブレコーダーの映像から、衝突直前にバスのブレーキランプが2度点灯したことが確認されるなど、運転手の興膳孝幸さん(64)は回避行動をとっていた。しかし、ほぼ速度が落ちていない状態で、対向車線をはみ出してきた運転手(65)のトラックと衝突したとみられるという。
バスを運行した北都交通によると、バスの速度は時速50キロほど。バス側の車線左側には、車両が逸脱しないようガードロープがあり、北海道警は、バスが逃げ場がない状態で減速を試みたとみている。
この事故ではバスの乗客3人と運転手2人が死亡。北海道警は、トラックの運転手が運転操作を誤ったとみて、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで調べている。
正面衝突244件、272人死亡…北海道内過去10年
北海道警によると、道内では過去10年で、車両と車両の正面衝突による死亡事故が244件起きており、272人が死亡している。死者が出た事故では、正面衝突が、追突や出合い頭に比べて、はるかに多い。
道警交通企画課は「北海道は、速度が出やすい道が多い。ドライバーはスピードを落として安全運転を心がけるという意識を持ってほしい」と呼びかけている。