関西電力が高浜原子力発電所(福井県高浜町)から取り出した使用済み核燃料をフランスに向けて搬出する計画について、資源エネルギー庁の小沢典明次長が23日、福井県議会に出席し「県外搬出を確実にする手段として、中間貯蔵と同等」と評価する認識を説明した。だが、搬出される燃料は県内に保管されている関電の使用済み燃料のわずか約5%。議員からは「開き直りだ」「強弁に聞こえる」との批判が噴出した。
小沢氏は議会に先立ち、桜本宏副知事とも面会して国の認識を説明。桜本氏は「県民からは根本的な問題解決でなく先送りではないかとの批判が出ている」と述べた。
関電は県に対し、今年末までに使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外候補地を確定すると約束。確定できなければ県内の40年超原発の運転停止を表明していた。
状況が動いたのは今月12日。同社の森望社長が杉本達治知事と面会し、フランスへの搬出計画を踏まえ「約束はひとまず達成された」と伝えた。西村康稔経済産業相も19日、杉本知事に関電の主張を追認する姿勢を示した。
23日は小沢氏が桜本副知事と面会後、県議会の全員協議会に出て国としての立場を説明した。小沢氏は「本質的に大事なのは使用済み燃料が確実に県外に搬出されることだ」と繰り返した。
これに対し、搬出される燃料が少ないことを指摘し、「これで約束が果たされたというのは納得できない」「渡りに船だが、綱渡りのような船だ」と疑念を示す議員が相次いだ。
一方で「県外搬出には一定の評価をしたい。(使用済み燃料を処理して再利用する)核燃料サイクルをしっかり確立してほしい」との前向きな意見も出た。
また、小沢氏は、青森県六ケ所村で建設が進む日本原燃の使用済み燃料の再処理工場にも触れ、「主要な工事は完了しており(原子力規制委員会の)審査をクリアすれば完成できる」と説明した。関電の中間貯蔵施設の県外立地選定も引き続き支援するとした。(牛島要平)