両陛下がインドネシアの空港出発、帰国へ 若者との交流重視の訪問

天皇、皇后両陛下は23日、インドネシアでの公式訪問を終え、首都ジャカルタ近郊のスカルノ・ハッタ国際空港から政府専用機で羽田空港に向けて出発された。両陛下にとって令和初の親善目的の外国訪問は、ジョコ大統領夫妻との親交を深めただけではなく、将来の日本とインドネシアの懸け橋となっていく若者らとの交流が重視された。また、21年ぶりの国際親善訪問となった皇后雅子さまは意欲的に行事への参加を果たした。
両陛下は20日午後、日本留学経験者が設立したダルマ・プルサダ大学と、日系企業などへの就職を目指す生徒が学ぶ職業専門高校を視察した。学生との懇談に多くの時間が割かれ、それぞれの活動や将来の夢を聞いて励ました。雅子さまは体調を考慮し、二つの学校への訪問は見送る予定だったが、当日になって自身の判断で陛下への同行を決めた。
19日の大統領夫妻との昼食会では、慣例となっている陛下のおことばが、大統領の「昼食会を和やかでうち解けた雰囲気にしたい」との意向で取りやめになった。平成の時代、在位中の上皇さまのアジア諸国などへの訪問時、第二次世界大戦への向き合い方などをおことばで示すことが多かった。上皇さまは1991年にインドネシアを訪ねた際の夕食会では「日本は、先の誠に不幸な戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう平和国家として生きることを決意」したと述べられていた。
宮内庁幹部は「両陛下は歴史の記憶をしっかり伝えなければならないとの気持ちだと思う。ただ、今回のインドネシア訪問の焦点は、過去の日本とインドネシアではなく、これからの日本とインドネシアの関係を支えていく若い人たちとの交流だった。日本とインドネシアの関係は発展に応じて、焦点になる問題も変わってきていると思う」と話している。【高島博之】