大阪市立自然史博物館と福岡工業大(福岡市)などの研究チームは、長崎県レッドリストで「絶滅種」に選定されたヤツメウナギ科の淡水魚「スナヤツメ」が県内で約100年ぶりに見つかったと発表した。護岸工事などがされていない西海市の川で見つかり、同チームは「河川の環境が改変され、絶滅することがないよう保全が必要」としている。
見つかったのは秋田県以南の本州、四国、九州などに生息し、長崎県が国内分布の西限とされる「南方種」。県内では1914(大正3)年以降の採集記録はなかったが、福岡工業大社会環境学部の乾隆帝(いぬいりゅうてい)教授(41)らが西海市の川で2015年8月に幼体(体長約3センチ)1匹、22年11月に幼体と成体(同約9~15センチ)計6匹を採集した。
乾教授は「生息できる環境が残っていたことが重要な点。河川環境の保全と工事などの河川管理をどのように両立させるかがこれからの課題になる」と話した。【松尾雅也】