京都府亀岡市の桂川(保津川)で今年3月、観光客向け川下りの舟が転覆し、船頭2人が死亡した事故を受けて運航を休止していた保津川遊船企業組合は30日、運航を来月12日に再開すると公表した。再発防止策の作成や船頭向けの訓練を実施しており、安全対策が整ったと判断した。
組合は今月12日、船頭の落下防止のための装置の設置や、乗客向けに新たにベスト型の救命胴衣を導入、すべての舟にGPS機能付きの無線機を搭載する再発防止策を公表。その後、船頭を対象にした水難救助訓練や専門家を招いた講習会を実施するなどしていた。
運航再開について組合の担当者は「乗客を安全に嵐山まで送るという責務を再認識するとともに、新たな対策のもと、二度とこのような事故が起こらないようにする」と述べた。
事故は3月28日に起きた。船尾にいた船頭が、急流を下る途中に舵を空振りする「空舵(からかじ)」状態になり、バランスを崩して落水。舟は制御を失って岩に衝突し、転覆した。乗客25人と船頭4人の計29人全員が川に落ち、うち船頭2人が死亡した。