6月30日深夜から7月1日未明にかけて九州・山口を襲った大雨。線状降水帯が発生した山口県を中心に河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、1人が死亡、2人が行方不明となった。毎年のように起こる大雨被害に、関係者は警戒を強めた。
山口市小郡上郷では1日午前5時20分ごろ、「車が流された」と住民から110番があった。山口県警によると、市内の用水路の中から軽乗用車が見つかり、高齢とみられる男性が車内から救助されたが、死亡が確認された。
山口県美祢市では冠水した県道で車7台が動けなくなった。うち1台の運転手が行方不明となっている。
大分県などによると、同県由布市湯布院町川西で30日午後11時50分ごろ、「土砂災害が起きている」と、停電の対応に来た電力会社の関係者から市に連絡があった。住宅1棟が土砂に流され、住人の男性(70)と連絡が取れていない。
1日午前6時ごろには、福岡県岡垣町波津で平屋の住宅が全壊。住人の女性(90)が取り残されたが約1時間20分後、消防により救助された。命に別条はないとみられる。
山口県は山口、美祢両市に災害救助法の適用を決定。建物への浸水や土砂崩れ、道路の冠水などが発生し、両市への継続的な支援が必要と判断したという。
大雨の影響で、交通機関にも影響が出た。
JR九州は在来線で、30日午前から運転見合わせが相次いだ。7月2日も久大線の日田(大分県日田市)―庄内(同県由布市)間で始発から運休する。
西日本鉄道(福岡市)は、天神大牟田線の一部区間で1日始発から運転を見合わせたが、午前9時前に再開。高速バスは九州道、大分道などが通行止めとなった影響で、7路線を運休した。【脇山隆俊、神山恵、城島勇人】