活発化した梅雨前線の影響で、九州や山口県では6月30日夜から7月1日未明にかけ、非常に激しい雨が降った。線状降水帯が発生した山口県では1人が死亡したほか、山口、大分両県で計2人が行方不明となった。山口県は山口、美祢(みね)両市に災害救助法の適用を決定。気象庁は今後も広い範囲で雷を伴った激しい雨が降る恐れがあるとして、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水・氾濫に警戒を呼びかけている。
各地の24時間雨量の日最大値(1日午後5時現在)は、大分県由布市385・0ミリ▽熊本県湯前町380・0ミリ▽鹿児島県伊佐市330・5ミリ▽宮崎県えびの市317・5ミリ。由布市の24時間雨量は7月としては観測史上最大となった。
山口市では、用水路に水没していた軽乗用車の車内から救助された、男性の死亡が確認された。美祢市では、冠水した県道にあった車の運転手が行方不明となっている。大分県由布市でも住宅1棟が土砂に流され、住人の男性(70)と連絡が取れていない。
山口県山陽小野田市では、市内を流れる桜川と随光川が氾濫。市は周辺の1513世帯に一時、5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」を出した。
JR西日本によると、美祢線の美祢市内の橋が川の増水で流されたほか、山陰線でも山口県下関市内の橋が川の増水で傾いた。美祢線は全線で、山陰線は一部区間で運転再開の見込みが立っていない。山陽新幹線も山口県内で雨量が規制値を超え、広島―博多間で一時運転を見合わせた。
気象庁によると、2日は九州付近に梅雨前線が停滞し、暖かく湿った空気が流れ込むため、広い範囲で大気の状態が非常に不安定になる。2日午後6時までの24時間に予想される雨量は多い所で、九州南部100ミリ▽近畿90ミリ▽関東甲信、東海80ミリ。【小澤優奈、山本泰久、神山恵、城島勇人】