「越えるべきハードルが高い」 世界遺産推薦見送りに落胆の声 奈良

永岡桂子文部科学相は4日の記者会見で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への世界文化遺産候補の推薦を本年度は行わないと明らかにした。候補として有力視される「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県明日香村、橿原市、桜井市)と「彦根城」(滋賀)について議論してきた国の文化審議会の意見を踏まえた。

推薦見送りを受け奈良県内の関係者の間で落胆の声が広がった。山下真知事は「令和6年の国内推薦候補選定、8年の世界遺産登録を目標に引き続き取り組みを進める」とコメントした。
明日香村の森川裕一村長は村役場で記者会見を開き、「越えるべきハードルが高いことを改めて認識できた。一部で史跡指定が進んでいない部分もあるので、課題をクリアし、現地調査があってもきちんと説明できる状況に持っていきたい」と強調。「日本やアジアだけでなく世界に飛鳥を発信するためにも世界遺産登録は必要。構成資産を継続して守っていく態勢をこれからの期間でさらに整えていきたい」と述べ、改めて来年の国内推薦候補の選定に向けて意欲を語った。
また、橿原市の亀田忠彦市長は「国内推薦の選定が見送られたことは誠に残念だが、令和8年の世界遺産登録を目指し引き続き努力していく」。桜井市の松井正剛市長は「県、構成市村とともに引き続き頑張って取り組んでいく」と、それぞれコメントを出した。
一方、橿原市観光協会の松井昌宏事務局長は「藤原宮跡の歴史を伝えるガイダンス施設の拡充や観光客の受け入れ態勢の整備など、まだまだやるべきことはある。将来の世界遺産登録を見据えて、今からできることを地道にやっていくしかない」と話した。