【速報】1歳女児が車にひかれ死亡…75歳男「ひき逃げ」実刑判決 歩行者天国に進入

去年8月、大阪のコリアタウンで、1歳の女の子を車でひき死亡させたにもかかわらず逃走した罪に問われた男の裁判。大阪地裁は男に懲役3年8か月の実刑判決を言い渡しました。▼白昼の歩行者天国に車進入…観光で訪れていた女児が巻き込まれる2022年8月1日の午前11時半すぎ、大阪市生野区のコリアタウンで、店舗から道路に出てきた中山愛李ちゃんが、車にひかれ死亡しました。愛李ちゃんは当時1歳10か月。名古屋市から家族で観光に訪れていました。車を運転していたのは東大阪市の無職・鄭仁煥被告(75)。鄭被告は、愛李ちゃんを車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして、過失運転致死や道路交通法違反(ひき逃げ)などの罪に問われていました。現場の道路は幅6.5m、左右に多くの店舗が立ち並び、事件発生時は車両の通行が禁止されていた時間帯、いわゆる歩行者天国の状態でした。▼クラクション鳴らさず歩行者天国に進入…無車検・無保険の発覚恐れ逃走鄭被告は時速7kmほどで走行していたものの、一時停止や最徐行はせず、クラクションも一切鳴らしていませんでした。愛李ちゃんをひいた後、鄭被告は車を降りて状況を確認したにもかかわらず逃走しました。追いかけてきた愛李ちゃんの父親や、制止しようとした通行人も振り切って逃走していきました。鄭被告の車は当時、約1年3か月も無車検・無保険の状態で、その発覚を恐れてのことでした。▼「ボンネットで死角に…回避できる可能性なかった」男は無罪主張これまでの裁判で鄭被告側は、「前方を注視するなど注意義務は果たしていた。道路に出てきた愛李ちゃんはボンネットで死角に入ってしまい、衝突を回避できる可能性はなかった」として、過失運転致死については無罪を主張していました。▼大阪地裁「身勝手な犯行…実刑を言い渡すほかない」 12日の判決で大阪地裁は、「通行禁止時間帯であることは認識していなかったとしても、多くの歩行者が行きかう商店街であることは認識していた。漫然と走行を続ければ事故が起きることは十分予見できたのに、一時停止やクラクションを鳴らすなどの注意義務を怠った」として、過失運転致死罪の成立を認定。「自己保身を目的とした逃走は、衝動的とはいえ身勝手な判断・行為で、厳しい非難に値する。遺族はいまもなお深い喪失感の中にあり、実刑を言い渡すほかない」として、鄭被告に懲役3年8か月の判決を言い渡しました。判決言い渡しが終わると鄭被告は、「申し訳ございませんでした」と裁判官に向かって頭を下げました。