兵庫県豊岡市瀬戸の海洋レジャー施設「城崎マリンワールド」は11日、言葉を理解するトドとして人気のハマ(雌、13歳)が今月4日に赤ちゃん(雄)を出産したと発表した。トドの出産は同施設では22年ぶり。ハマは令和3年に初出産したが、出産後間もなく赤ちゃんは死に、残念な結果となっていた。現在は母子ともに安定しているという。
ハマは今年春に妊娠が判明。同施設は「今度こそ無事出産を」と、ハマをバックヤードに移し、飼育スタッフが万全の態勢で出産準備をした。
約13時間かかる難産となったが、4日未明、体長90センチ、体重22キロの赤ちゃんを無事出産した。しかし、ハマの母乳が出にくいことがわかり、母子の様子を見て、赤ちゃんを人工授乳に切り替えた。
現在は24時間態勢で、2時間おきに飼育員が授乳し、出産から1週間で約1キロ体重が増えたという。赤ちゃんの一般公開は未定。ハマは体調が回復する秋頃には「ママさんトド」としてお目見えする。
ハマは平成21年7月、福島県の「ふくしま海洋科学館」で生まれた。23年の東日本大震災の影響で、静岡県の水族館に一時避難していたが、間もなくマリンワールドに引き取られた。26年からはダイビングデビューし、同施設で人気を呼んでいる。
担当者は「出産の大きな山場を越えたので、これからは赤ちゃんが順調に成長することを願い、施設の人気者になることを期待しています」と話した。