おととし8月、大阪・摂津市で3歳の男の子が熱湯を浴びせ続けられ死亡した事件。
罪に問われている男の判決を前に、ABCテレビの記者が接見しました。被告の男は何を語ったのか・・・。
「自分のしたことでおりちゃんがママと離れ、命を落とすことになってしまった」「どんな判決でもそれが自分の罪。受け止めようと思う」
こう語ったのは、殺人の罪で起訴されている松原拓海被告25歳。今月5日、ABCテレビの記者に心中を語りました。
松原被告はおととし8月、大阪府摂津市のマンションで
交際相手の長男、新村桜利斗ちゃん、当時3歳に熱湯を浴びせ続け、大やけどを負わせ殺人や暴行の罪に問われています。
桜利斗ちゃんは全身の90%以上に重度のやけどを負っていました。10分近く熱湯を浴びせられた可能性が高いとみられています。
事件数日後に松原被告が母親の知人に当時のお風呂の状況を説明している音声では―。
(松原被告)「(桜利斗に)シャワーがかからないように浴槽とか壁の方に向けて出しっ放しに」「そのときに僕が(キッチンで)給湯の温度を上げていたりしたんですよ」
(桜利斗ちゃんの母親の知人)「じゃあ何で(温度を)上げたん?」
(松原被告)「ただ・・・その遊び、そういうことをしたのが今回初めてじゃなくて、前にもそんな感じで・・・」
「その時の感覚というか、(桜利斗に湯が)かかってないし安易に『大丈夫かな』と言う気持ちで」
当初、警察の調べに対して― 「熱湯を故意に浴びせていません」「追いかけっこをして、シャワーが出っぱなしの状態の浴室を出入りしていて、その時しばらく出てこなくなったので見に行ったら倒れていた」「遊びの中での事故だった」という趣旨の供述をしていた松原被告。
そして裁判では― 「トイレトレーニングで失敗したおりちゃんを懲らしめるため浴室に閉じ込めた」「本当のことを言うと、自分がとんでもないことになると思った」
当初の供述とは一転したものの、殺人罪については否認しました。
検察は「自己保身のために救急搬送をためらうなど被害者が死亡することを認識した上で放置した」「熱湯を浴びせ続けたという残酷で、類を見ない悪質な犯行である」と
して殺人罪を主張し懲役18年を求刑。
一方、弁護側は「検察は被告がわざと熱湯を浴びせ続けたことの立証が出来ていない」などとして殺意を否定し、
傷害致死罪の適用を求めました。
結審した翌日5日、大阪拘置所で記者の面会に応じた松原被告。疲れ切った印象はあったものの表情は穏やかで、記者の問いかけにもしっかりと答えました。
Q結審したが今の心境は?
「正直 複雑な気持ちや心苦しさはあった」「(桜利斗ちゃんには)ずっと『ごめんね』と謝り続けるしかない」
裁判では「桜利斗ちゃんを懲らしめるために風呂場に閉じ込めた」と事件当初から供述を一転させた松原被告。
当時の供述は”ウソ”だったことを認めています。
「(事件直後は)自分のことばかり考えていた」「それから裁判まで時間があり、自分と向き合う時間ができた」「嘘をついていたこと、今まで言えなかったことを全部伝えようと。伝えることが自分の責任だと思った」
また、判決について問われると・・・
「どんな判決でもそれが自分の罪。受け止めようと思う。量刑は関係ない」「ただ自分の言う事実が認定されることを望んでいる」
果たして司法はどのような判断を下すのか。あす14日、判決が言い渡されます