九州北部の大雨特別警報解除=前線停滞、災害に厳戒―2人死亡、佐賀で多数浸水

九州北部では28日、日本海に延びる前線の影響で猛烈な雨が降った。気象庁は午前5時50分に福岡、佐賀、長崎各県に大雨特別警報を発表し、午後2時55分に解除した。29日にかけても断続的に非常に激しい雨が降り、再び特別警報を発表する恐れがあるとして、同庁は土砂災害や低地の浸水、河川の増水に厳重に警戒するよう呼び掛けた。
各県警によると、佐賀県武雄市と福岡県八女市で男性各1人の死亡を確認。佐賀市で女性1人が意識不明の重体となった。
総務省消防庁の午後3時半時点のまとめでは、佐賀県で多くの住宅に浸水被害が発生。福岡、佐賀、長崎の3県で約87万600人に避難指示が出され、大分県を含めて約100万4000人に避難勧告が出された。
前線は29日朝に西・東日本に南下し、前線上の低気圧が東北地方付近から千島近海へ進む見込み。広い範囲で大雨に警戒し、落雷や突風に注意する必要がある。九州以外では、青森県の一部に、土砂災害警戒情報が一時出された。
29日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、東海と九州北部150ミリ、北陸と中国120ミリ、関東甲信と近畿100ミリ。その後、30日午後6時までの24時間予想雨量は、東海と北陸、九州北部の多い所で50~100ミリ。
[時事通信社]