裁判員らが会見「模倣犯、出してはいけない」 小田急刺傷事件

小田急線車内で乗客を刃物で刺したとして、殺人未遂などの罪に問われた対馬悠介被告(37)の裁判員裁判。対馬被告への判決言い渡し後、公判で裁判員や補充裁判員を務めた5人が東京地裁で記者会見し、「社会に影響を与えた大きな事件。模倣犯が出てきてはいけないという思いで話し合いを重ねた」と感想を語った。
事件で重傷を負った被害者と同世代の女性(22)は「詳細な状況を聞いて、被害者がどれだけつらかっただろうと想像した」と心境を明かした。
公判では、被告が孤立した環境の中で社会への怒りを募らせていった過程も明らかに。40代女性は「社会に対する不平不満は、みんなが持っていると思う。ただ、自分で行動に移してしまうかどうかということが一番大事だと思った」と述べ、補充裁判員を務めた男性(64)は「身近に相談できる相手がいれば、犯行を思いとどまった可能性もあったのではないか」と話した。