梅雨前線の影響で、秋田県では15日、記録的な大雨となり、土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、4人がけがをした。
県によると、午後4時の時点で秋田市と五城目町などは計約4700世帯、9400人に警戒レベルが最も高い避難情報「緊急安全確保」を出した。住宅2棟が全壊、15棟が床下浸水。冠水している地域も多く、住民がボートで救助される様子も見られた。避難所も複数設置されている。男鹿市など12市町には避難指示が出された。
24時間降水量は各地で200ミリを超え、7地点で観測史上最多を更新。気象庁は東北で16日にかけて警報級の大雨になる所があるとして、土砂災害などに厳重な警戒を呼びかけている。
五城目町富津内の小林信一さん(74)は近くを流れる富津内川が「15日正午ごろからあふれ出した」として「午前中はまだ大丈夫と思ったが、朝10時をまわってから雨が激しくなって、車3台を高台に逃がした。周囲の畑が水没してビックリしている」などと話した。
秋田市によると、同市添川の住宅が土砂崩れに巻き込まれ、4人が軽傷を負った。秋田市の太平川では氾濫が発生。秋田新幹線の盛岡-秋田間が運休するなど交通への影響も出た。
24時間降水量が最多を更新したのは午後4時時点で、秋田市仁別で287・5ミリ、男鹿市で244ミリ、藤里町で233・5ミリなど。7月の平年1カ月分を上回った場所もある。
気象庁によると、東北を通り日本の東に延びる前線は16日にかけて停滞。暖かく湿った空気が流れ込み、活動が活発な状態が続く。秋田県では16日にかけて、警報基準を大きく超えるような大雨となる所がある見通し。東北の16日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で120ミリ。その後の24時間は50~100ミリ。