記録的大雨の秋田、18~19日に再び警報級大雨の恐れ…1400人超避難し停電・断水相次ぐ

記録的な大雨が続く秋田県内では16日、初めて死者が確認されるなど、被害が次々と明らかになった。避難者は1400人超に上り、被災地域では断水や停電も起きるなど、住民は不安な日曜日を過ごした。雨は17日以降も断続的に降る見込みで、引き続き注意が必要となる。
16日午前10時時点の秋田県のまとめによると、避難者は11市町村で475世帯1435人。住宅浸水は秋田市や五城目町など少なくとも9市町で確認され、床上浸水は354棟、床下浸水は50棟だった。
JR秋田駅南側にある「明田地下道」は完全に冠水し、入り口には複数台の車が水没した。
秋田市の70歳代男性は16日午前1時頃、地下道の近くで車が動かなくなり、足元に水たまりができる状態のまま、一晩を明かしたという。依頼したレッカー車が到着せず、「不安だよね」と言葉少なだった。
秋田市や五城目町、上小阿仁村など6市町村が午前10時時点で、計1万7381人に避難情報のうち最も危険度の高い「緊急安全確保」(警戒レベル5)を発令した。「避難指示」(同4)も秋田市の10万962人など15市町村計19万417人に出された。県は15市町村に災害救助法の適用をしている。
秋田地方気象台によると、17日午後6時までの24時間降水量は多いところで60ミリと予想されている。18~19日には警報級の大雨となる恐れがあるという。
生活インフラにも被害が出ている。東北電力ネットワークによると、16日午後5時までに、秋田市や五城目町など8市町村の最大1881戸が停電した。
1318世帯が断水した八峰町では、陸上自衛隊が秋田駐屯地から給水車で運んだ水を6リットル入りパックにして1世帯各3個配布した。受け取った男性(67)は「水道の復旧がいつになるかわからず、ありがたい。今まで住んできてここまでひどいのは初めて」と話した。
3000世帯超が断水した男鹿市でも、第2管区海上保安本部が八戸海上保安部(青森県八戸市)の巡視船「しもきた」を派遣し、船川港で給水活動を行った。五城目町でも約3500世帯が断水した。
秋田市の一部では、家庭排水に影響が出ている。広面汚水中継ポンプ場が水没で機能停止し、市は15日から横森、桜地区など約6000世帯計1万3000人に、洗濯や風呂水の排水といった下水道の使用を控えるよう呼びかけている。
秋田市教育委員会は16日、市内の小中学校を18日は臨時休校にすると発表した。また、同市は管理する観光施設や文化施設16か所を当面の間、休館する。
市内の商業施設も臨時休業が相次いだ。イオン東北(秋田市)は16日、市内4店舗の営業を見送った。17日は、敷地内が冠水した同市広面のスーパー「イオンスタイル広面」を除き、営業を再開する。
JR秋田駅周辺の「秋田オーパ」や、駅ビルの「トピコ」と「アルス」、同市中通の百貨店「西武秋田店」も臨時休業した。「秋田オーパ」「西武秋田店」は17日に営業を再開する見込み。