昭和46年の渋谷暴動事件で、派出所に放火し、デモの警戒中だった機動隊員を殺害したなどとして殺人などの罪に問われた過激派「中核派」の活動家、大坂正明被告(73)の公判が18日、東京地裁で開かれ、弁護側による被告人質問が行われた。被告は、当日のデモに参加したことを認めた上で、関与を改めて否定。ほかのデモ参加者に指示を出していたとする関係者の証言についても「重要な役割を与えられることはなかった」と反論した。
被告は昨年10月の初公判で、無罪を主張していた。
この日の被告人質問で、被告は45年ごろから中核派の活動を始めたと説明。事件当日、「白っぽい服装の被告を見た」とするデモ参加者の証言については「汚れが目立つので着ない」と否定し、こげ茶色のブレザーに黒っぽいズボンを着ていたとした。
被告に似た人物がいるとされた現場写真を示されると、服装や持ち物が異なるとして、いずれも「自分ではない」と主張した。
当時の機動隊に対する認識を問われると「圧倒的に強く、人数が同じなら自分たちは負けると思っていた」とし、「機動隊員を殺そうと思っていたか」との質問には、「そこまでイメージできず、力もなかった」と答えた。
起訴状などによると、46年11月14日、沖縄返還協定に反発する学生らのデモの警備中だった新潟県警の中村恒雄巡査=当時(21)、殉職後警部補に昇進=を殺害し、他の警察官3人にけがをさせ、派出所に放火したなどとされる。