JR山手線の全線運転見合わせは24日朝のラッシュ時を直撃した。駅の構内では利用客が困惑した様子で、運転見合わせを知らせる掲示に目をやり、スマートフォンで乗り換え方法を調べていた。通勤・通学客は普段と違う路線を使うなどして、目的地に急いだ。
JR新宿駅では多くの人が遅延証明書やタクシーを求め、列をなした。タクシー乗り場では日差しが照りつける中、10人以上がタクシーを待っていた。世田谷区にある自宅から新宿駅を経由して池袋へ向かう予定だった会社員の男性(56)は、新宿へ向かう電車のなかで運転見合わせを知ったという。男性は「家を出る前ならテレワークできたが電車に乗ってしまっていたし、しようがない。早くタクシーに来てほしい」と苦笑い。「むっちゃ暑い」と額に流れる汗をハンカチで拭った。
子供2人と東京へ遊びに来ていたという岡山県の女性(46)は「午前中は新宿や渋谷を散策する予定だった。予定変更かと思って焦ったが、再開のアナウンスにホッとした」と話した。
山手線に接続する路線では振り替え輸送が行われ、午前8時半ごろ、池袋駅の構内では東京メトロ丸ノ内線の改札まで乗客の長い列ができた。勤務先の後楽園駅まで向かうというさいたま市の高橋茉莉子さん(25)は「始業時間までには間に合いそうにない」と諦めたような表情で行列を眺めていた。