「外国人」「帰れ」 児童いじめ認定、対応批判 大阪市第三者委

大阪市の第三者委員会は25日、市立小学校に通っていた男子児童が少なくとも2019~20年にいじめを受けていたことを認定し、学校側の対応不足を指摘する報告書を市教委に提出した。児童は父親が外国籍で、同級生らから「外国人は嫌やねん」などと差別的な発言を受けていた。
報告書によると、小学5年だった児童は19年12月、同級生から「○○(国名)へ帰れ」と言われた。6年になっても同級生らから「外国人」などと差別的な発言を受けていたとみられる。
20年12月には、卒業文集の下書きに「死にたいと思う日もあった」などと書いたが、6年の担任が大きなバツ印を付けて書き直すように指導。保護者から指摘を受け、担任は謝罪したという。
第三者委はいじめがあったが、重大事態に至っていないと判断した。一方、学校側について「保護者の申し出をやり過ごそうと終始し、組織的に対応する姿勢が欠如していた」と指摘。学校の不誠実な対応によって、児童が長期間にわたって精神的なダメージを抱えたと批判した。
市教委の多田勝哉教育長は「学校の不適切な対応が児童に苦痛を与えたことは事実で、おわび申し上げる」とコメントした。【野田樹】