万博の工事 「2024年問題」規制除外を 協会が政府に打診

2025年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)の幹部が、来年4月に建設業界に適用される時間外労働の上限規制を万博関連の工事には適用しないよう政府に打診していたことが27日、分かった。海外パビリオンの建設工事を巡り、各国政府と建設業者の契約が進まない問題が浮上している中、協会側には建築現場での人手不足が懸念される「2024年問題」への対策を講じ、建設準備をスムーズに進めたい思惑がある。
関係者が明らかにした。ただ、規制の適用除外は長時間労働の容認につながりかねず、政府は慎重に対応を判断するとみられる。
大阪・関西万博では、各国政府が独自で設計する「タイプA」のパビリオンを巡り、建設業者との契約が進んでいない状況が問題になっている。資材価格高騰や準備遅れなどと並んで、要因のひとつと指摘されているのが「24年問題」。物流業界と同様に、建設業界でも来年4月から時間外労働の上限規制が厳格化される。一人あたりの労働時間が削減されることで、深刻な労働力不足が発生するとの懸念が広がっており、建設業者の中には、海外パビリオンの受注に難色を示す動きもある。
業界関係者は「規制の適用除外は期日までにパビリオンを完成させるための最低条件になるだろう」と指摘している。万博協会側もこういった現場の声を受け、対応が不可欠と判断したとみられる。