日大アメフト部に薬物疑惑 タックル問題から再起「報われない形に」

日本大学アメリカンフットボール部の寮(東京都中野区)から7月、覚醒剤成分を含む錠剤と大麻が見つかっていたことが3日、捜査関係者への取材で判明した。
2018年の試合で、パスを投げ終えた相手選手を背後からの危険なタックルで負傷させた「悪質タックル問題」から5年あまり。再起を図る途上にあった日大アメフト部に、再び部の存続が危ぶまれるような問題が浮上した。
悪質タックル問題の真相解明のために日大が設置した第三者委員会の委員長を務めた勝丸充啓(みつひろ)弁護士は、毎日新聞の取材に「(問題後に)新体制でスタートし、一時期は再生しようと立ち上がったのは間違いない。その努力を続けて良い方向に行きかけたと思っていたが、報われない形になったのは残念だ」と話した。
日大は悪質タックル問題後にアメフト部の体制を一新し、立命館大出身の橋詰功氏(現同志社大ヘッドコーチ)が18年に公募で新監督に選ばれて再建に尽力。「選手との対話や自主性を大事にし、モラルやコンプライアンス面でも清潔」(勝丸氏)という手腕を発揮してチームをまとめ、関東大学リーグ1部上位リーグに復帰した20年に優勝に導いた。
だが、大学側は21年8月までだった橋詰氏との契約を更新せず、22年度から再び日大アメフト部OBが監督に就任。昨季まで2季連続で同リーグ7位と苦戦している。
勝丸氏は「あくまで今回の事件とは別問題」と前置きした上で、「(部内では)OBの力が強く、決して良い体質ではなかった。OBが監督になると、昔の体質が出てくるのかなと思い心配だった」と組織体質改善の難しさを語った。
また、ある日大アメフト部OBは「部の再建はなされたという前提で見ていたのだが。(見つかったのが)違法薬物であれば、由々しき問題。OBとしては悲しいだけ」と言葉少なだった。
その上で、大麻を巡る摘発は若い世代で急増しており、「日大アメフト部だけの問題ではない。日本の薬物汚染がそこまで来たかという部分もあるのでは」と危惧した。
日大アメフト部が所属する関東学生アメリカンフットボール連盟は外部からの情報提供を受けて日大アメフト部に事実関係の調査を求めており、2度の回答が不十分だったため、再報告を要望している。
今季の1部上位リーグは9月2日、日大―法大の試合で開幕を予定しており、同連盟は「警察の捜査を見守りたい。日大アメフト部からの報告を待つ」とコメントした。【玉井滉大】