「Uターン」台風、沖縄県民うんざり 断水に品不足…長期化懸念

台風6号の異例の「Uターン」で、影響が長引いている沖縄県。停電や断水、日用品の品薄などが続く中、5日以降の再接近で影響は1週間にも及ぶ見通しだ。長期化の様相に、台風への備えには慣れている県民といえども、疲労の色が濃くなっている。
「子ども4人がいる6人家族で、トイレや手洗いができないのが一番困っている。スーパーなどで売っている飲用水も品薄。早く水道が復旧してほしい」
ポンプ場の停電と自家発電設備の不具合により、一部地域で断水が発生している宜野湾市。市が配布する非常用飲料水の袋を受け取りに来たパート従業員の女性(39)は、うんざりした表情を浮かべた。
市は断水が始まった3日から、飲用水6リットル入りの袋を1人当たり5袋ずつ配布。だが、予想以上に断水が長引いたため、4日は1家族4袋に制限した。
ポンプ場を管理する県企業局によると、設備は4日に復旧し、宜野湾市と中城村の一部地域で発生していた断水は徐々に解消される見通し。ただ、台風の再接近で長時間停電すれば再び断水になる可能性がある。
沖縄電力によると、4日午後6時現在で2万6730戸が停電。消防によると、沖縄市では3日夜、長時間停電している自宅にいた男性(45)が、熱中症の疑いで救急搬送された。
大しけで物資の入荷が滞り、県内の小売店は品薄状態が続く。
4日午前、那覇市のスーパー「サンエーV21じょうがく食品館」は生鮮食品やパンのコーナーで空の棚が目立ったが、開店しているうちに食材や日用品を買いだめしようとする客が次々と訪れた。15リットルの水を購入した近くの真栄平(まえひら)忠さん(79)は「どこもかしこも品薄だから、はしごして買いそろえるしかない」と苦笑いした。
3日間にわたり欠航が続いた那覇空港は、運航を再開した3日に続き、4日も欠航便の振り替えやキャンセル待ちをする観光客らでごった返した。
名古屋市から家族4人で3泊4日の旅行に来た公務員の男性(47)は、予定より2日遅れで帰りの便を確保。「ホテルに待機している間も振り替え便の手続きばかりで、くたびれた。無事に飛んでほしい」と祈るように話した。
玉城デニー知事は4日、宜野湾市や名護市など県内9市町村に災害救助法の適用を決定。オンラインで谷公一防災担当相と協議し、国の財政支援で避難所の食料確保や住宅の応急修理などに当たる方針を確認した。【喜屋武真之介、比嘉洋】