岡山地裁で7月、刑事裁判の法廷内の音声が、無断でツイッター(X)の音声会話機能「スペース」で中継された問題で、地裁は8日、岡山県警に刑事告訴したと発表した。告訴は4日付。地裁は「捜査に関わる」として罪名は明らかにしなかった。
地裁などによると、配信されたのは、7月5日に行われた有印公文書偽造などの罪に問われた被告の男(29)の初公判。被告人質問での弁護人と男の会話が、一時350人以上に配信されていた。
外部からの指摘で判明し、地裁職員がスマートフォンを見える位置に置いていた複数の傍聴人に「録音や配信はしていないか」と声をかけるなどしたが、配信者を特定できなかった。
この日、中継された裁判の判決があり、約20人が傍聴した。地裁は事前に傍聴人の持ち物検査を実施。スマートフォンなどの電子機器は電源を切らせ、封筒に入れてホチキスで留めて持たせる対応を取った。地裁によると、外部への中継は確認されていない。
男は懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。