自民党安倍派の塩谷立、下村博文両会長代理は10日、派閥の新体制について、国会内で会談した。塩谷氏は事実上の代表と位置づける「座長」に自身が就く案を主張する一方、下村氏は「会長」の選任を求めて互いに譲らず、平行線に終わった。塩谷氏側は17日の派閥会合で了承を取り付けたい考えだが、決着するかどうかは不透明だ。
会談は約40分行われ、塩谷氏が派の運営を主導する「常任幹事会(仮称)」を設置した上で、自身が座長に就く案を説明した。これに対し、下村氏は会長を決めるべきだと主張した。両氏は8日にも協議していたが、再び物別れとなり、16日に改めて協議する予
定だ。
新体制を巡っては、塩谷氏が3日、高木毅国会対策委員長、萩生田政調会長、世耕弘成参院幹事長、松野官房長官、西村経済産業相の「5人衆」と都内で会談。会長を不在にしたまま、塩谷氏を座長に位置づける案をまとめていた。
派内では「下村氏の主張が正論だ」(中堅)として、新会長の選任を求める意見もある。ただ、内閣改造・党役員人事が9月11~13日の間にも行われるとの見方が強まる中、「一刻も早く新体制を発足させるべきだ」(若手)として「塩谷座長案」での早期決着を求める意見が広がっている。