「野辺地とりめし」販売を一時休止 原材料調達難しく

青い森鉄道の野辺地駅(青森県野辺地町)などで販売され、60年以上にわたって地域で親しまれてきた駅弁「野辺地とりめし」が9月30日をもって販売を一時休止した。ただ、販売休止を前に注文が殺到するなど地元では惜しむ声が多く、製造するウェルネス伯養軒(本社・仙台市)青森支店の担当者は「販売再開の可能性も含め、今後の販路を検討したい」と話す。【江沢雄志】
野辺地とりめしは、県内で製造されたしょうゆを使って煮た鶏肉や煮汁で炊きあげたご飯などが入った素朴な味が特徴の人気駅弁。味は販売が始まった1952年から変えておらず、作り方は代々の製造者が口頭で伝えてきたという。通常、駅弁は観光シーズンが最盛期となるが、野辺地とりめしはねぶたの時期よりもお盆の時期に注文が多くなるといい、ふるさとの味としても楽しまれてきた。
しかし、青森支店では野辺地とりめしを含め、複数の駅弁の製造販売を行うにあたり原材料の調達や人員の確保が難しくなり、同社は同支店を9月いっぱいで営業休止することを決定。野辺地とりめしの販売も休止することになった。
ただ、そのことが8月下旬にメディアで取り上げられたことを機に大売れするようになり、通常の約5倍を製造しても連日売り切れるような状況となった。野辺地駅では約100個の弁当が毎日、午前中で売り切れたという。同支店で2011年から調理担当を務める稲葉ゆみさん(45)は「休止は残念だが、頑張って作ってきたかいがあったと実感している」と話す。
同支店の中村路人支店長は、時期は未定としながらも「お客様の声に応えられるように何らかの方法を見つけたい」と話している。