処分か?保存か?『地下駐車場に眠る美術品』105点で評価額2.2億円 大阪府が検討会議

地下駐車場に眠る評価額2億円あまりの美術品について、保管方法の検討会議が始まりました。 大阪府の咲洲庁舎の地下駐車場に評価額約2.2億円に上る105点の美術品が放置されている問題。府によりますと、バブル期に浮上した美術館構想を受けて府が収集したもので、財政難で構想が白紙となって以降、行き場を無くしてここに置かれています。 吉村洋文知事は今年7月に保管・活用に関して専門家から意見を聞く方針を示していました。これを受けて8月18日に開かれた検討会議。メンバーからは「作品を処分する必要もあるのでは」といった意見が出ました。 (大阪府 上山信一特別顧問)「大型作品の展示施設を大阪府は持たないわけですね。そして持つ予定もないという状況の中で、作品をどこまでずっと持ち続けるべきかと。活用という意味で見ると、どこまで持ち続けていけばいいのかという根本的な問題点が出てくると思います」 これに対して美術分野の専門家からは。 (国立国際美術館 山梨俊夫前館長)「公共財産として大阪府、大阪府民全体のものだといったときに、一度財産になったものを売却してもいいものなのか。貴重な作品をお金に換えてというようなことは良いものなのか」 (東京藝術大学 鷲田めるろ准教授) 「美術館をつくらないということになった段階でどうしていくかという時に、ずっと保存し続けていくという責任はあると思います」 そのうえで「単に作品を貸したり展示したりするだけでなく、作品の重要性や意味を一般の人にも伝える必要がある」と指摘。引き続き議論を続けることになりました。 一方、吉村知事は美術品の保管場所について、8月中にも府の施設に移し始めると明らかにしました。