中古車販売大手「ビッグモーター」の全国各地の店舗前で街路樹が枯れるなどした問題で、警視庁と神奈川県警は15日、ビッグモーター本社(東京都港区)を器物損壊容疑で家宅捜索した。捜査関係者への取材で判明した。街路樹の問題を巡り、警察当局がビッグモーター本社を強制捜査するのは初めて。
警視庁や神奈川県警は関連資料などを押収するとともに社員らに話を聞くなどし、指示系統や本社の関与がなかったかを調べる。
捜索は午前9時45分ごろに始まり、警視庁と神奈川県警の捜査員ら約35人が、段ボール箱や台車などを持って本社へ入った。捜索は約9時間半に及んだ。
警察庁によると、ビッグモーターの街路樹問題を巡っては、15日夕までに福岡や兵庫など16都県警で計38件の被害届を受理している。全て器物損壊容疑という。
東京都内では、都が全18店舗のうち都道沿いで街路樹のある14店舗の土壌調査を行ったところ、9店舗の近くで除草剤の成分が検出されるなどした。都からの被害届を受け、警視庁は8日、環八世田谷店(世田谷区)や多摩店(多摩市)など9店舗を器物損壊容疑で一斉に家宅捜索した。
また、神奈川県警も6日に同じ容疑で県内の3店舗を家宅捜索した。川崎市によると、このうち川崎店(川崎市川崎区)の前にあったオオムラサキツツジ6本の伐採について、本社の「環境整備推進委員」が店舗に指示したとの説明をビッグモーター側から受けた。担当者が8月18日に市役所を訪れて調査結果を伝えたといい、2022年10月に当時の店長経由で指示を受けた店舗社員が伐採したとされる。
街路樹の枯死が見つかっている藤沢店(藤沢市)と平塚四之宮店(平塚市)については、神奈川県が「店長が除草剤をまく指示をした」と本社の関与を否定する説明をビッグモーター側からされたという。
15日の本社への捜索容疑は、警視庁が多摩店前の街路樹、神奈川県警が川崎店前の街路樹が伐採されていたことを巡るもの。ビッグモーターに本社移転の動きがあったことから、警視庁などは移転前に捜索する必要があると判断した。
一方、ビッグモーターは15日、毎日新聞の取材に「捜査に対しては全面的に協力してまいります」とコメントした。
【木原真希、岩崎歩、菅健吾、牧野大輔】