大阪府門真市で2016年、自宅で就寝中だった一家4人が殺傷された事件で、遺族7人が1日、殺人罪などで懲役30年の判決を受けた小林裕真被告(27)=上告中=と母親に計7200万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。刑事裁判で統合失調症の影響が指摘されており、遺族は「適切な治療を受けていれば、事件は防げたかもしれない」と訴えている。
刑事裁判の判決によると、小林被告は16年10月、民家に侵入して一家を刃物で襲撃。面識のない川上幸伸さん(当時43歳)を殺害し、子ども3人にも重軽傷を負わせた。2審・大阪高裁判決(今年5月)は、統合失調症の影響で被告が心神耗弱の状態だったと認定。懲役30年とした1審判決を支持した。
訴状によると、小林被告は統合失調症と診断されて入院していたが、医療費を滞納するなどして15年3月に退院。翌年からは通院もしなくなったという。
遺族側は、小林被告が治療や服薬を怠ったため、症状が悪化したと主張。同居する母親も、病院が提案した訪問看護を拒むなど、適切な治療を受けさせなかったとしている。
提訴後に大阪市内で記者会見した川上さんの妻千春さん(46)は「子どもたちは体にも心にも大きな傷を負った。苦しみは一生続く」と話した。【村松洋】